2016年3月に三鷹ストーカー事件差し戻し審
2013年10月8日、東京都三鷹市で高校3年の女子生徒(当時18)が刺殺された「三鷹ストーカー事件」の裁判に進展があったのでお伝えしたいと思う。
12月9日、東京地裁立川支部(菊池則明裁判長)は殺人罪などの罪に問われているI被告(23)の差し戻し裁判員裁判の初公判を2016年3月4日に開くと決定したという。
この事件、一審判決は女子生徒の画像をインターネットに投稿した「リベンジポルノ行為」を殺害と密接に関連する特に悪質な事情と判断しており、懲役22年の判決となった。
しかし、東京高裁判決は「リベンジポルノ」の扱いについて、別の罪に当たる行為を殺人罪の刑を重くする要素として過大に評価したとして、一審での判決を破棄して審理を差し戻していた。
その後、東京地検立川支部はI被告の「リベンジポルノ行為」を児童買春・ポルノ禁止法違反(公然陳列)罪などとして追起訴し、2016年3月4日差し戻し審では従来の起訴内容と併合して審理するという。
リベンジポルノ行為が争点
I被告の「リベンジポルノ行為」が一審判決では「殺害と密接に関連する特に悪質な事情」と判断されていたのに対し、東京高裁の判決では「リベンジポルノ行為は殺人罪とは別の罪に当たり、殺人罪の刑を重くする要素としては過大評価」としているため、この事件に深く関わっている「リベンジポルノ」という罪がどういった形で判断されるのかが注目すべき点だ。
また、東京地検立川支部がI被告の「リベンジポルノ行為」を児童買春・ポルノ禁止法違反(公然陳列)罪などとして追起訴している点、東京高裁で差し戻されている点などからも、殺人罪との因果関係では罪に問えないということなのだろうか。
この「三鷹ストーカー事件」が誘引となり、新たな法律である「リベンジポルノ関連法案」が成立しているため、I被告の「リベンジポルノ行為」だけは新たな法律で裁かれる可能性があるのかもしれない。
しかし、「ストーカー行為」も「リベンジポルノ行為」も被害者側から考えると「重大な嫌がらせ」になる。
まして、人の命まで奪っている被告には、厳重な処罰をしてもらいたいものである。
三鷹ストーカー事件
2013年10月8日に東京都三鷹市で発生した殺人事件で、当時18歳の女子高生が被害者となった。
通称では、「三鷹ストーカー殺人事件」や「三鷹ストーカー事件」などと呼ばれている。
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