LINEの送信でストーカー規制法違反
会社員の男性(51)が女子中学生(14)に対して、無料通信アプリ「LINE」のメッセージを数十回を送信したとして、ストーカー規制法違反の容疑で滋賀県警に逮捕された。
この男性は女子中学生の母親と知人であり、女子中学生の姉を介して「妹かわいいな」などと書いたメッセージを送信していたようだ。
また、送信したメッセージには入浴時間帯や体に関する内容も含まれていたという。
2015年9月8日 京都新聞
中3にストーカー、51歳男逮捕 容疑で滋賀・彦根署
滋賀県警彦根署は7日、ストーカー規制法違反の疑いで、岐阜県大垣市浅草3丁目、会社員の男(51)を逮捕した。
逮捕容疑は、7月6日から8月11日にかけ、彦根市内の中学3年の女子生徒(14)に対し、この生徒の姉を介して、無料通信アプリLINE(ライン)で「妹かわいいな」などと書いたメッセージを数十回送信し、付きまとった疑い。
同署によると、男は女子生徒の母親の知人で、生徒の入浴時間帯や体に関する内容のメッセージも送っていたという。
SNSでも「ストーカー規制法違反」になる
まず、覚えておいていただきたいのは、「ストーカー規制法」とは恋愛などの好意の感情や、恋愛が満たされないことに対する怨恨の感情での「つきまとい行為」を規制対象としているという点で、恋愛感情ではない「つきまとい行為」は、規制の対象とならないのです。
2000年に制定された改正前の「ストーカー規制法」では電子メールによる送信は規制対象になっていませんでしたが、2013年に改正された「ストーカー規制法」では、電子メールによる送信も規制対象となりました。
また、「ストーカー規制法」で電子メールは規制対象に挙げられているものの、Twitter・LINE・Facebookなどが代表となるSNSは含まれていないのが現状です。
結論からすると、現行の「ストーカー規制法」では電子メールは対象でも、SNSは対象外ということになるのです。
しかし、近年のSNSの急速なの普及から、SNSも電子メールと同様であるとして、さらなる法改正が検討されているようです。
各自治体などでは、SNSの送信も「ストーカー規制法」の対象とするため、迷惑防止条例で規制しているところも少なくありません。
LINEがストーカー規制法違反となった理由
「ストーカー規制法」では、「つきまとい行為」として次のようなものが挙げられている。
1.その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またその知り得る状態に置くこと。
2.その性的羞恥心を害する事項を告げ、もしくはその知り得る状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、もしくはその知り得る状態に置くこと。
本事件では、入浴時間帯などを把握することが1の「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ」、体に関する内容を聞くことが2の「性的羞恥心を害する事項を告げ」にあたるとして、ストーカー規制法違反容疑により逮捕された可能性が高い。
また、51歳の男がこれらのメッセージを数十回に渡って送信しているのだから、女子中学生としては非常に怖い思いであってもおかしくないのだ。
しつこいお誘いでも「ストーカー規制法違反」になるかも?
メール・SNSであっても相手側の気持ち1つで「ストーカー規制法違反」となることがあるのは、本事件で解ってもらえたのではないだろうか。
単なる「つきまとい行為」でなくても恋愛感情があり、自分の気持ちを安易にメール・SNSで送信し続けている場合、相手の行動や予定をしつこく聞き出すような内容のメール・SNSを送信し続けている場合などは「ストーカー規制法」の対象となる可能性があるので注意した方がいいだろう。