もう十年以上前にあった話です。
東京都某所にお住まいのご依頼者様から調査依頼を受けました。
内容は、夫の浮気調査。
複数回の浮気の証拠が必要だとのことで、浮気調査は定期的・継続的なものに・・・。
経緯に関しては、前回の記事『浮気調査の警戒心』と、前々回の記事『続浮気調査の警戒心』を読んでくだされ。
オサレなマンション付近に張り込むこと数時間が経過しただろうか・・・。
調査対象者が入った部屋の扉が開き、対象者が出る。
その後ろから、20歳程の女性が出てきた。
調査員 「え~マジですか!!」
エル 「目をこらしてよ~く見てみたまえ明智君。マジですから」
この会話だけを聞いたら理解できないのだが、対象者の年齢が40代半ばなので、ざっと年の差は20歳程離れていると推察できる。
もう第三者の視点から見ると、親子にしかみえない二人が手を繋いで歩いているのだ。
ご依頼者様がいる東京の自宅から離れていることもあってか、二人はそんな第三者の視線などものともせずにはしゃいでいる。
その後、電車を乗り継ぎ、海岸沿いでラブラブなデート。
夜になり、最寄り駅で二人が別れたため、第2対象者(女性)を追尾し、先程のマンションへ帰宅するのを撮影した。
本日の調査経過をご依頼者様へ報告することに!
エル 「旦那さん、(※中省略)女性はマンションに帰宅しました」
ご依頼者様 「警戒している時はどうなるかと思いましたが、やっと真相が解って良かったです。」
エル 「そうですね」
ご依頼者様 「どんな女でしたか?」
エル 「20歳程の(※中省略)な女性です。」
ご依頼者様 「えっ・・・もう一度お願いします」
エル 「20歳程の(※中省略)な女性です。」
ご依頼者様 「娘じゃないですよね」
エル 「娘さんではなく、20歳程の(※中省略)な女性です。容姿も撮影出来てますのでご安心ください」
ご依頼者様 「・・・・・(絶句)」
エル 「もしも~し」
ご依頼者様 「もう旦那は絶対に許せません。継続的な浮気の証拠をお願いしたいのですが可能でしょうか?」
エル 「はい。可能です」
それからしばらく話しました・・・(※中省略)
ご依頼者様 「それでは来週末の調査で宜しくお願いします。」
エル 「お任せください。こちらこそ今後とも宜しくお願いします」
※ラブ探偵事務所では、調査経過の報告もリアルタイム
ここまで来るのに長かったような、短かったような・・・。
ご依頼者様が『探偵』と『調査』というキーワードを口にしてしまったあの日から、『バリ警』だった対象者が1ヵ月半後には『チョビ警』になり、やっと浮気の証拠が撮影できた。
その後、エルと調査員は「立ち食いそば」食べ、帰宅の途についたのである。
おしまいおしまい。