探偵の探偵は実在する?
今回は、ドラマで放送されている「探偵の探偵」をふまえてお話をしてみたいと思います。
はっきり言ってしまうと「探偵の探偵」なる稼業は実在しません。
ひと言付けくわえると、探偵業の届出を出さずに違法で行っている業者を除いてですが・・・。
2015年現在の探偵事務所・興信所は?
2007年6月1日に「探偵業の業務適正化に関する法律(通称:探偵業法)」という探偵業界では初めての法律が施行されました。
この「探偵業法」の施行に伴って、探偵事務所・興信所などの全ての探偵業については、その事業所を管轄とする警察署の生活安全課への届出が義務となっています。
各種届出を出さなければならない時期は、下記の3つです。
- 探偵業の開業をした時
- 探偵業の届出をしている内容に変更があった時
- 探偵業を廃業した時
また年に1度は、警察による立ち入り検査が実施され、おおまかには下記の項目などがチェックされます。
- 違法な調査、工作などの依頼を受けていないか?
- 契約書類は適正か?
- 従業員名簿はあるのか?
- 社員の教育はされているのか?
このような態勢となっているため、現在は無届の悪質な探偵業者は減っています。
探偵業法施行前の探偵業界は?
悪質な探偵業者による不適正な営業活動が後を絶ちませんでした。
例えば・・・
- ご依頼者様との間における契約内容などをめぐるトラブルの増加
- 違法な手段による調査
- 調査対象者などの秘密を利用した恐喝など
- 従業者による犯罪の発生
2007年5月31日まで、日本には探偵業を規制する法律はありませんでした。
このような状況にかんがみ立法化が検討された結果、調査業のうち探偵業について2006年6月に「探偵業法」が制定され、2007年7月に施行されました。
探偵ってあぶないことに巻き込まれる?
調査依頼をお受けする前に、ご依頼者様から「相談に至るまでの経緯」や、「調査を行って望む結果」などをしっかりとお聞きするため、必ず対面での面談を行います。
これを省略してしまうと、「ストーカー」や「犯罪」に加担するような違法な調査を行ってしまう可能性があるからです。
詳細をお聞きして、下記項目に該当する可能性がある場合には、しっかりと理由をご説明してお断りしています。
- ストーカー・つきまといに該当する調査
- DV(ドメスティックバイオレンス)などの理由がある調査
- 差別に関わる調査
- 盗聴に関わ調査
- 盗撮に関わる調査
- 別れさせ工作
- 復縁工作
- 復讐代行
- その他の違法と判断される調査
これらの項目に該当する場合は、はっきりとお断りしないとトラブルなどに巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。
ドラマのような探偵は?
警察が民事不介入のように、基本的には探偵は刑事不介入と考えてください。
まれに、鋭意調査を行った結果が、犯人逮捕につながったり、詐欺グループの特定に至ったり、盗聴や盗撮行為を立証したりなど、刑事に絡んでくることもありますが、探偵が警察と一緒に事件現場に出向くなどはありえません。
また、実在する本物の探偵はアクションスターのようなド派手な行動も起こさず、誰にも気づかれることなく調査を遂行します。
ドラマが光だとしたら、本物の探偵は忍者のような地味な存在です。
「探偵の探偵」が実在したら?
ドラマの主人公は、妹のストーカーからの違法な調査依頼を引き受けて居場所を報告した「悪の探偵」を捜すため、悪質な探偵業者を次々と裁いていきます。
そんな凄腕探偵が本当に実在するのなら、現在も存在している悪質な探偵業者は徐々に減っていくのではないでしょうか。
また、この業界が今以上にクリーンな業者のみになるということなので、むしろ実在した方がよいのかもしれません。
いつの日か、「探偵」という仕事がクリーンなイメージになれる時がくることを切に願っています。