2013年11月27日、千葉県市川市の路上で同市内に住んでいた元交際相手のYさん(当時22)の右腹部を小型の包丁で突き刺し、殺害したとして殺人などの罪に問われている。
千葉県松戸市の無職O被告(24)の裁判員裁判(佐々木一夫裁判長)の初公判が5月20日に千葉地方裁判所で開かれ、同被告は「間違いありません」と述べて起訴された内容を認めた。
その後、検察側は冒頭陳述で「元交際相手の女性から復縁を断られたあと、家族から女性のことを忘れて働くように言われ、やっかい者扱いされていると感じ、女性への憎しみを一方的に募らせた。
「短絡的で身勝手な犯行だ」と主張し、2013年10月にYさんが他の男性と結婚すると聞いたことなどから強い殺意を持ち、当時3歳の長女の目の前で犯行に及んだと指摘した。
また、検察側は同被告が犯行前にも長女の通う保育園に複数回行き、Yさんを探していたとして「強い殺意を持っていた」と述べている。
一方、同被告の弁護士は、「被告は一緒に暮らしたこともある元交際相手の娘と会えなくなったことに深く悩み体重が減ったり、何度も自殺をしようとしたりした。
事件当時は正しい判断ができなかった。
事件後は父の墓がある八丈島に行き、警察に出頭するつもりだった」と述べ、刑を軽くするよう求めている。
この日、丁寧に一礼をして法廷に入った同被告は、丸刈りにグレーのスウェットの上下を着用、常に背筋を伸ばし、検察側の冒頭陳述が終わると大きく息を吐いたという。
同裁判員裁判の判決は2014年5月26日に言い渡される予定だ。