依頼すると危険な違法調査とは?
テレビドラマや映画などの影響で、「探偵ならどんなことでも調べられる」と考えている人は意外と多い。
そして、「探偵ならどんなことでも調べられる」と考えているご依頼者様は、調査が必要になった場合には数社に問い合わせて「自分が理想としている探偵事務所・興信所」を捜すことだろう。
しかし、探偵事務所や興信所などのいわゆる「探偵業者」では、調査できる項目が法律で制限されているので、実際にまっとうに営業している「現実の探偵事務所・興信所」に問い合わせて相談しても、断られてしまうなんてこともあるだ。
それでは「現実の探偵事務所・興信所」とはどんなものなのだろうか?
この「現実の探偵事務所・興信所」を2つに区分すると「法律を守る探偵」と「法律を守らない探偵」に分けられる。
今回は、この「法律を守る探偵」と「法律を守らない探偵」の後者の方をメインの題材として「依頼すると危険な違法調査」についてお話していきたいと思う。
探偵業者が行ってもよい調査
探偵業界にある唯一の法律「探偵業の業務適正化に関する法律」では、探偵業者が行ってもよい調査項目は下記の3点の「実地調査」に定められている。
「尾行」「張り込み」「聞き込み」
この「実地調査」とは、簡単にお伝えすると「特定の場所に出向いて行う調査」のことだ。
「尾行」にしても「張り込み」にしても、調査対象者の行動を把握するため、実際に現地に出向て行う調査となるし、「聞き込み」に関しても、人と対面しながら話をしなければならないため、実際に現地に出向て行う調査となる。
逆に考えてみると、「尾行」「張り込み」「聞き込み」などの「実地調査」以外は、「探偵業者が行ってはならない調査」ということになるのだ。
では、「探偵業者が行ってはならない調査」とはどのようなものなのだろうか?
探偵業者に依頼すると危険な違法調査
「尾行」「張り込み」「聞き込み」などの「実地調査」以外は、「探偵業者が行ってはならない調査」となる。
言い換えれば「探偵業者に依頼すると危険な違法調査」なのだが、よく「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所が依頼を受けているおおまかな調査を例にしてみると、下記のような調査項目となる。
一般電話番号から名義人特定
IP電話番号から名義人特定
携帯電話番号から名義人特定
メールアドレスから使用者特定
自動車ナンバーから所有者・使用者の特定
自動二輪ナンバーから所有者・使用者の特定
原付ナンバーから所有者・使用者の特定
水道・ガス・電気などの公共料金から名義人特定
住所・部屋番号から居住者氏名の特定
住所・部屋番号から家屋構成の特定
氏名・生年月日から加入保険状況
氏名・生年月日からサラ金の借り入れ状況
氏名・生年月日から信販の借り入れ状況
細かく記載するとまだまだあるのだが、大きく分けるとこんな感じだろう。
これら全てが「探偵業者が行ってはならない調査」となるのだが、その他のにも下記のような「工作活動」や「代行業務」などの項目も存在している。
別れさせ工作
復縁工作
出会い工作
復讐代行
債権回収代行
上記に記載した「工作活動」や「代行業務」などは、公安委員会からも「絶対に行わないように!!」と指導されている項目なのだ。
探偵事務所や興信所のホームページなどに、これらの項目に対する調査料金などが記載されている場合は、「探偵業者が行ってはならない調査」の依頼をご依頼者様へ何の説明もなく受件している可能性が高い探偵事務所や興信所なので、調査を依頼しない方がいいだろう。
万が一、調査依頼をするような状況になった場合、自己責任となるのは勿論のこと十分な注意が必要になる。
詐欺被害の解決・返金をうたう探偵業者に注意
近年、新たな項目として問題視されているのは、「詐欺被害の解決・返金をうたう調査」。
「詐欺被害の解決・返金」などの夢のような希望の光をうたう「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所へ調査を依頼したことによって、二次被害に遭うというトラブルや苦情が警察に急増しているという。
これに対し、警視庁は公式ホームページで「詐欺被害の解決・返金をうたう探偵業者について」というタイトルページをアップして注意を呼び掛けていた。
「詐欺被害の解決・返金」をうたう「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所では、「未公開株」「パチンコ必勝法」「出会い系サイト」などによる詐欺被害に遭った方を対象として、下記のような過剰な営業をしている。
例としては、「十分に返金させることは可能です!」「相手を捜して取り返しましょう!」などと告げ、ご依頼者様に「調査を依頼すれば詐欺で失ったお金を取り戻せる!」と錯覚させた上で、高額な調査依頼契約を締結するという非常に悪質なものだ。
すでに詐欺被害のトラブルに遭って相談にきた被害者の心理である「お金を取り戻したい!」という強い意志につけ込んでいるのと、高額な調査料金を入金させる目的で言葉巧みに錯覚させている。
しかし、調査結果としては詐欺相手の特定もできず、「詐欺被害で失ったお金」と「調査に支払ったお金」を失うことになる二重被害となる。
このようなトラブルや苦情が多発しているので、甘い話には注意してもらいたい。
探偵の法律を守らない悪質な探偵業者
どんな業界にも「悪質」や「悪徳」が付く業者は存在しているのだが、この「探偵業界」にも同様の探偵事務所や興信所などは存在している。
では、そのような探偵事務所や興信所はどんな探偵なのか?
全てが下記に当てはまるとは言い切れないが、注意した方がいい探偵事務所や興信所の一例を挙げてみる。
どんな相談内容でも調査可能と言われる
何かと理由をつけて最終的には非常に高過ぎる着手金
着手金詐欺的な要素がある非常に安過ぎる着手金
大きく分けるとこの3点が、注意した方がいい探偵事務所や興信所に共通することだ。
どんな相談内容でも調査可能と言われる
1人以上の探偵が動く、「尾行」「張り込み」「聞き込み」などの「実地調査」以外は、「探偵業者が行ってはならない調査」だということはこの記事の冒頭で説明したとおりだ。
しかし実際には「特殊な手法の調査」「手法は明かせない調査」「特殊なルートの調査」「独自のデータベースで調査」などなど、いい加減なことを言ってどんな相談内容でも調査料金をむしり取ろうとする輩がいるのも現実問題であり、探偵業界のイメージダウンに繋がっている。
冷静に考えてもらうと納得できるのだが、トリックが無いマジックが存在しないように、人である探偵が動くということは手法を明かせない調査など存在しない。
探偵事務所や興信所への電話相談や、直接会った探偵相談員から、「十分に返金させることは可能です!」「相手を捜して取り返しましょう!」などと「非常に甘い話」を持ちかけられ、まんまと術中にはまってしまうご依頼者様は多数いることだろう。
警視庁がホームページに掲載している「詐欺被害の解決・返金をうたう悪質な探偵事務所や興信所」などもここに該当しており、「未公開株」「パチンコ必勝法」「出会い系サイト」などもここに分類されるので、このブログの読者で、探偵事務所や興信所への調査依頼を検討中の方は注意してくださいね。
何かと理由をつけて最終的には非常に高過ぎる着手金
大抵、「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所では、電話での問い合わせの際、非常に安い金額を提示するか、簡単な調査だと回答があるでしょう。
そして、探偵相談員に直接会って相談していくと、「非常に難易度が高い調査」「特殊な手法の調査」「手法は明かせない調査」「特殊なルートの調査」「独自のデータベースで調査」などと言われるのは勿論、「どこの探偵に依頼しても100万円以上はする調査だ」などと言われ、高額な着手金や成功報酬で見積もりをされてしまします。
では、なぜそんな高額な調査料金で調査を依頼してしまうご依頼者様がいるのだろうか。
それは、探偵相談員に「調査料金は相手側に請求して取れる」「絶対に損はしない」などと言われ、「メリットしかない調査」だと信じた結果、まんまと術中にはまってしまうからなのだ。
冷静に考えてもらうと、国家組織である警察が解決できない事件が山のように存在しているのだから、みなさんと同じ一般人であり、何の権限も持たない現実の探偵が動いても全てを解決するというのは不可能だろう。
簡単に言い換えれば、100件の調査依頼を受けて100件全てを解決するなんていう「スーパーマン」や「テレビや映画の主人公」のようなスーパー名探偵は絶対に存在しないということは理解して欲しい。
警視庁がホームページに掲載している「詐欺被害の解決・返金をうたう悪質な探偵事務所や興信所」などもここに該当しており、「未公開株」「パチンコ必勝法」「出会い系サイト」などもここに分類されるので、このブログの読者で、探偵事務所や興信所への調査依頼を検討中の方は注意してくださいね。
着手金詐欺的な要素がある非常に安過ぎる着手金
「探偵=高額」という思い込みからくる固定観念の裏をついて、不可能な調査でも「非常に安く調査依頼できる」ということを売りにする「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所も存在する。
これらの探偵事務所や興信所では、電話での問い合わせの際、非常に安い金額を伝えて簡単な調査だと回答がある。
そして、探偵相談員に直接会って相談していくと、電話で話したとおり「非常に安い着手金だから依頼しよう!」という考えになってしまうのが大半のご依頼者様だろう。
かなり高い割合で「なぜそんな安い調査料金で調査を依頼できるのか?」と疑問をいだくご依頼者様は少ない。
しかし、なぜ「安い調査料金で調査を依頼できるのか?」の答えは2つある。
まず、1つ目は「最初から調査する気がない」というもの。
「探偵事務所や興信所では行えない違法調査」に該当するため、「安い金額」で調査依頼を受けて着手金や契約金のみを受け取っても、全く動くことはなく返金もしないという「着手金詐欺」な手法の「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所もある。
全く動いていないのにも関わらず、「鋭意調査したが判明に至らなかった」と報告するのだが、探偵業者は大きなトラブルになることを避けるために追加料金などは請求せず、ご依頼者様も高額な調査料金を支払っていないため、大きな問題にはせずに諦めてしまうという人がほとんどだ。
またこのような「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所は、面談などでご依頼者様と対面しようとはせず、電話やメールのみで調査依頼を受けて調査料金を銀行口座へ振り込ませる傾向がある。
最悪な場合、調査依頼の際に契約書類なども作成しない。
探偵業では、ご依頼者様から調査依頼を受ける際、必ず下記4点~5点の書類を作成してご依頼者様に渡さなければならないと先述した「探偵業の業務適正化に関する法律」で定められているので「契約書類の不備がある探偵事務所や興信所には絶対に依頼をしない」ということを覚えておいて欲しい。
重要事項説明書(契約前書面)
調査契約書(契約後書面)
調査料金お見積書(概算合計金額の目安)
調査利用目的確認書(誓約書)
クーリングオフに関する説明書(探偵事務所以外の場所で契約する場合)
2つ目は、安い金額で調査依頼を受けておき、「追加調査が必要になった」などと言って追加料金を請求するという「追加料金詐欺」。
これは、最初に依頼を受けた調査料金では調査は行わず、「もう少しで判明するが、追加調査が必要になった」などと言っては、次から次へと追加料金を請求して支払わせるというもの。
「少額でもせっかく支払った調査料金を無駄にしたくない」「もう少しで相手が判明する」などという考えがあるご依頼者様に、言葉巧みに信じ込ませた上で追加料金を巻き上げるのだ。
パチンコやスロットなどを遊戯していることを例にすると、すでにいくらかの現金を使っているため、「もう少しやれば出るのでは?」という心理になってしまうのが大半の人だろう。
その1台のパチンコやスロットに、多額の現金を使えば使っているほど「引くに引けない!」「まだやめられない!」という心理状態になってしまう。
これが、パチンコやスロットなどを含むギャンブルの誘惑でもあり、恐ろしいところでもある。
最初に安い金額で調査依頼を受けておき、「追加調査が必要になった」などと言って追加料金を請求する場合、「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所が追加調査という棒の先端に解決という名のエサをぶら下げている状態なので、ギャブルなどと似たような心理状態となってしまい言われるがまま何度も追加料金を支払ってしまったとうことがあるようだ。
「安い金額」から始まった調査依頼でも、フタを開ければ「調査結果としては判明に至らなかった」「高額な調査料金だけを支払っていた」なんてご依頼者様もいるのではないだろうか。
警視庁がホームページに掲載していた「詐欺被害の解決・返金をうたう悪質な探偵事務所や興信所」などもここに該当しており、「未公開株」「パチンコ必勝法」「出会い系サイト」などもここに分類されるので、このブログの読者で、探偵事務所や興信所への調査依頼を検討中の方は注意してくださいね。
違法や不可能を教える探偵業者は信頼できる
ここまで違法調査に関してや、「悪質」や「悪徳」な探偵事務所や興信所など営業手法などに関してお伝えしてきたのだが、「どんな探偵業者に依頼をすればいいのか?」なんて疑問が聞こえてきそうなので下記に4点だけアドバイスしておこうと思う。
違法になるような調査を違法と言ってくれる
なぜ違法調査になるのかの理由を教えてくれる
不可能な調査を不可能と言ってくれる
不可能になる理由を教えてくれる
上記の4点をしっかりと伝えてくれるということが、長年探偵業務に従事してきたエルが考える「本当に信頼できる探偵事務所や興信所」だと思う。
学生の授業である数学に例えるならば、回答という結果を導き出すには、正確な方程式に当てはめて計算しなければならない。
ご依頼者様から相談された際、「違法ですよ!」と結果(回答)だけを教えるのではく、「なぜ違法となってしまうのか?」などの疑問に対して、違法となってしまう経緯や理由(方程式)なども理解できるまでしっかりと教えてくれる探偵業者が「本当に信頼できる探偵事務所や興信所」なのだ。
目の前にどんなに高額な調査料金を積まれても、「違法なものは違法」「不可能なものは不可能」とバカ真面目な意思表示ができることが「本当に信頼できる証」ではないだろうか。
今後、このブログの読者で探偵事務所や興信所への調査依頼を検討中の方はぜひとも覚えておいて欲しい。