今度は京都府でDV被害者情報が漏洩
2015年、ドメスティック・バイオレンス(通称:DV)被害者の個人情報の漏洩が多発している。
しかも、考えられないことに警察や役所など、DV被害者を守らなければならない場所からの発覚が多いのだ。
今回の京都府木津川市で起こった漏洩問題も、閲覧制限がかけられ、絶対に知られては困るDV被害者の住民情報を、DV加害者に誤って渡してしまったというのだ。
2015年9月4日 朝日新聞
DV被害の妻の住所、市職員が夫に漏らす 京都・木津川
京都府木津川市は4日、夫のドメスティック・バイオレンス(DV)から逃れるため市内から転居した60代女性の新住所などが書かれた書類を、確定申告のために市役所を訪れた60代の夫に誤って渡した、と発表した。女性の住民情報には閲覧制限がかけられていたが、税務課のシステムと連動していないという。
市によると夫は今年2月、確定申告の窓口で、別居している妻の扶養控除を申し出た。その際、職員が夫に渡した申告書のコピーに女性の新住所などが記されていた。3月16日、女性の情報に閲覧制限がかかっていることに担当者が気づき、市が女性に謝罪。警察にも連絡した。今のところ女性に被害はないという。
大阪府では、DV被害者を保護する一時避難施設(シェルター)の情報も漏洩している。
2015年8月13日 朝日新聞
DV被害者避難先、大阪府警が夫に漏洩 閉鎖で調停申請
大阪府南部でDV被害者の一時避難施設(シェルター)を運営する女性(70)が、入所していた女性の夫に府警のミスで施設の所在地を知られ、閉鎖せざるをえなくなったとして、移転費用の支援などを府に求める調停を10日、大阪簡裁に申し立てた。
会見した施設側の代理人弁護士らによると、夫は6月9日、DV防止法に基づき、女性への接近などを禁じる保護命令を大阪地裁堺支部から受けた。その後、河内長野署で命令内容の説明を受けた際、担当の署員が机の上に書類を置いたまま席を外したという。
署員が戻ったとき、施設所在地が書かれた部分を夫が指さし、「妻はここにいるのだな」と尋ねて発覚。施設側は漏洩(ろうえい)の連絡を受けて閉鎖した。女性は別の保護施設に移った。
施設側は「いったん所在地がDV加害者に知られてしまうと情報はすぐに広がり、保護施設としての役割が果たせなくなる」と主張。府に移転の支援のほか、謝罪や慰謝料の支払いを求めている。
府警は「申し立て内容の詳細を確認し適切に対応していきたい」としている。
DV被害者を守るための手段となるシェルターや閲覧制限。
この2つが、しっかりと守られる万全な体制が確立できなければ、本当の意味でのDV被害者の保護にはならない。
全ての漏洩問題が、人為的ミスが引き起こしているだけに、今後も同様のDV被害者がでなければいいのだが・・・。
早急に何重もの管理体制に変更し、DV被害者の個人情報は保護してもらいたいものだ。